通分のやり方|分母をそろえるコツと練習問題3選
「通分のやり方がわからない…」と悩む小学生・中学生はとても多いです。この記事では、通分を基礎から丁寧に解説します。通分とは、分母のちがう分数を計算するときに、分母を同じ数にそろえる操作のことです。3つの手順、最小公倍数の見つけ方のコツ、練習問題3選、よくある間違いまで、この1記事で通分を完全にマスターできます。記事の最後には練習に役立つ分数計算機も紹介しているので、ぜひ手を動かしながら読み進めてください。
目次
- 通分とは?なぜ必要なのか
- 通分のやり方|3つの手順
- 最小公倍数の見つけ方のコツ
- 通分の早見表|よく出る分母の組み合わせ30選
- 通分のやり方 応用編:3つの分数を通分する方法
- 通分の練習問題3選
- 通分でよくある間違い
- 通分と約分の関係
- まとめ
- よくある質問
通分とは?なぜ必要なのか
通分(つうぶん)とは、分母の異なる2つ以上の分数の分母を、同じ数(公倍数)にそろえることです。
なぜ通分が必要なのでしょうか。たとえば、1/2 + 1/3 を計算してみましょう。分母が「2」と「3」でちがうため、そのまま分子どうしを足すことはできません。「1/2」はケーキの半分、「1/3」はケーキを3等分した1つ分。1つ分の大きさという基準がちがうので、単純に足し算できないのです。
そこで、2と3の公倍数である「6」を分母にそろえます。1/2 = 3/6、1/3 = 2/6 と変形すれば、3/6 + 2/6 = 5/6 と計算できます。この「分母をそろえる操作」こそが通分です。
通分は分数のたし算・ひき算だけでなく、分数の大小比較にも使います。分母がそろえば、分子の大きさを比べるだけでどちらが大きいかわかるからです。つまり通分は、分数の計算の土台となる、とても大切な考え方なのです。
通分は一度覚えてしまえば、どんな分数の計算にも応用できます。次の章では、具体的な手順を見ていきましょう。

通分のやり方|3つの手順
通分は、次の3つの手順にまとめられます。
- 手順①:分母の最小公倍数を見つける
- 手順②:分子・分母に同じ数をかける
- 手順③:計算する
ひとつずつ、例題とともに確認しましょう。
手順①:分母の最小公倍数を見つける
まず、2つの分母の最小公倍数を探します。最小公倍数とは、2つの数に共通する倍数(公倍数)のうち、0をのぞいて最も小さい数のことです。
例題1:1/2 + 1/3
分母は2と3です。2の倍数は 2, 4, 6, 8, …、3の倍数は 3, 6, 9, …。共通する倍数のうち最も小さい数は「6」です。よって最小公倍数は6です。
手順②:分子・分母に同じ数をかける
分母が最小公倍数になるように、分子と分母に同じ数をかけます。ここが通分で最も大切なポイントです。分母だけを変えてしまうと、分数の大きさそのものが変わってしまいます。「分子と分母に同じ数をかけても、分数の大きさは変わらない」という分数の性質を利用するのです。
例題1の続きです。1/2 の分母2を6にするには、2 × 3 = 6 なので、分子・分母に3をかけます。
1/2 = (1 × 3) / (2 × 3) = 3/6
1/3 の分母3を6にするには、3 × 2 = 6 なので、分子・分母に2をかけます。
1/3 = (1 × 2) / (3 × 2) = 2/6
手順③:計算する
分母がそろったら、あとは分子どうしを計算するだけです。
3/6 + 2/6 = 5/6
答えは 5/6 です。
もう1問、例題2で通分の手順を確認しましょう。
例題2:2/3 + 1/4
手順①:分母3と4の最小公倍数は12です(3の倍数:3, 6, 9, 12…/4の倍数:4, 8, 12…)。
手順②:2/3 = (2 × 4) / (3 × 4) = 8/12、1/4 = (1 × 3) / (4 × 3) = 3/12
手順③:8/12 + 3/12 = 11/12
答えは 11/12 です。
この3つの手順こそが、通分の基本形です。どんな分数のたし算・ひき算も、この流れで解くことができます。
最小公倍数の見つけ方のコツ
通分をスムーズにするカギは、最小公倍数をすばやく見つけることです。次の3つのコツを覚えましょう。
コツ1:大きい方の分母の倍数を順に調べる
2つの分母のうち、大きい方の数の倍数を小さい順に書き出し、もう一方の数で割り切れるか調べます。たとえば分母が4と6なら、6の倍数(6, 12, 18…)を順に調べ、4で割り切れる最初の数「12」が最小公倍数です。
コツ2:一方の分母がもう一方の倍数なら、大きい方が答え
分母が2と6のように、一方がもう一方の倍数になっている場合、大きい方の数がそのまま最小公倍数です。このパターンに気づけば、計算が一気に楽になります。
コツ3:九九を逆向きに使って「何倍すれば」を考える
「分母の2に何をかければ6になる?」というように、九九を逆向きに使うと、分子・分母にかける数がすぐわかります。通分に慣れるまでは、途中式をていねいに書くことがミス防止のコツです。
なお、最小公倍数でなくても「公倍数」なら通分はできますが、数が大きくなって計算が大変になります。できるだけ最小公倍数を使うのが、通分の鉄則です。
通分の早見表|よく出る分母の組み合わせ30選
通分のやり方に慣れるまでは、次の早見表を参考にしてください。学校のテストや宿題でよく出る分母の組み合わせと、その最小公倍数、通分した後の形をまとめました。最小公倍数がひと目でわかるので、通分の計算がぐっと速くなります。
読み方: 「分母 2 と 3 の組み合わせ → 最小公倍数 6 → 1/2 は 3/6 、 1/3 は 2/6 に通分」は、分母2と3の最小公倍数が6で、1/2 は 3/6 に、1/3 は 2/6 に通分できるという意味です。
- 分母 2 と 3 の組み合わせ → 最小公倍数 6 → 1/2 は 3/6 、 1/3 は 2/6 に通分
- 分母 2 と 4 の組み合わせ → 最小公倍数 4 → 1/2 は 2/4 、 1/4 は 1/4 に通分
- 分母 2 と 5 の組み合わせ → 最小公倍数 10 → 1/2 は 5/10 、 1/5 は 2/10 に通分
- 分母 2 と 6 の組み合わせ → 最小公倍数 6 → 1/2 は 3/6 、 1/6 は 1/6 に通分
- 分母 2 と 7 の組み合わせ → 最小公倍数 14 → 1/2 は 7/14 、 1/7 は 2/14 に通分
- 分母 2 と 8 の組み合わせ → 最小公倍数 8 → 1/2 は 4/8 、 1/8 は 1/8 に通分
- 分母 2 と 9 の組み合わせ → 最小公倍数 18 → 1/2 は 9/18 、 1/9 は 2/18 に通分
- 分母 2 と 10 の組み合わせ → 最小公倍数 10 → 1/2 は 5/10 、 1/10 は 1/10 に通分
- 分母 3 と 4 の組み合わせ → 最小公倍数 12 → 1/3 は 4/12 、 1/4 は 3/12 に通分
- 分母 3 と 5 の組み合わせ → 最小公倍数 15 → 1/3 は 5/15 、 1/5 は 3/15 に通分
- 分母 3 と 6 の組み合わせ → 最小公倍数 6 → 1/3 は 2/6 、 1/6 は 1/6 に通分
- 分母 3 と 7 の組み合わせ → 最小公倍数 21 → 1/3 は 7/21 、 1/7 は 3/21 に通分
- 分母 3 と 8 の組み合わせ → 最小公倍数 24 → 1/3 は 8/24 、 1/8 は 3/24 に通分
- 分母 3 と 9 の組み合わせ → 最小公倍数 9 → 1/3 は 3/9 、 1/9 は 1/9 に通分
- 分母 3 と 10 の組み合わせ → 最小公倍数 30 → 1/3 は 10/30 、 1/10 は 3/30 に通分
- 分母 4 と 5 の組み合わせ → 最小公倍数 20 → 1/4 は 5/20 、 1/5 は 4/20 に通分
- 分母 4 と 6 の組み合わせ → 最小公倍数 12 → 1/4 は 3/12 、 1/6 は 2/12 に通分
- 分母 4 と 7 の組み合わせ → 最小公倍数 28 → 1/4 は 7/28 、 1/7 は 4/28 に通分
- 分母 4 と 8 の組み合わせ → 最小公倍数 8 → 1/4 は 2/8 、 1/8 は 1/8 に通分
- 分母 4 と 9 の組み合わせ → 最小公倍数 36 → 1/4 は 9/36 、 1/9 は 4/36 に通分
- 分母 4 と 10 の組み合わせ → 最小公倍数 20 → 1/4 は 5/20 、 1/10 は 2/20 に通分
- 分母 5 と 6 の組み合わせ → 最小公倍数 30 → 1/5 は 6/30 、 1/6 は 5/30 に通分
- 分母 5 と 8 の組み合わせ → 最小公倍数 40 → 1/5 は 8/40 、 1/8 は 5/40 に通分
- 分母 5 と 10 の組み合わせ → 最小公倍数 10 → 1/5 は 2/10 、 1/10 は 1/10 に通分
- 分母 5 と 12 の組み合わせ → 最小公倍数 60 → 1/5 は 12/60 、 1/12 は 5/60 に通分
- 分母 6 と 8 の組み合わせ → 最小公倍数 24 → 1/6 は 4/24 、 1/8 は 3/24 に通分
- 分母 6 と 9 の組み合わせ → 最小公倍数 18 → 1/6 は 3/18 、 1/9 は 2/18 に通分
- 分母 6 と 10 の組み合わせ → 最小公倍数 30 → 1/6 は 5/30 、 1/10 は 3/30 に通分
- 分母 8 と 12 の組み合わせ → 最小公倍数 24 → 1/8 は 3/24 、 1/12 は 2/24 に通分
- 分母 9 と 12 の組み合わせ → 最小公倍数 36 → 1/9 は 4/36 、 1/12 は 3/36 に通分
この早見表にない組み合わせでも、通分のやり方は同じです。「大きい方の分母の倍数を順に調べる」コツを使えば、どんな分母の組み合わせでも最小公倍数が見つかります。
通分のやり方 応用編:3つの分数を通分する方法
2つの分数の通分ができるようになったら、3つの分数の通分にも挑戦しましょう。基本の考え方は同じです。3つの分母の最小公倍数を見つけて、すべての分数の分母をそろえます。
例題:1/2 + 1/3 + 1/4 を計算しましょう。
手順①:分母 2 と 3 と 4 の最小公倍数を探します。4 の倍数(4, 8, 12…)を順に調べると、2 でも 3 でも割り切れる最初の数は 12 です。よって最小公倍数は 12 です。
手順②:それぞれの分数を通分します。
1/2 = (1 × 6) / (2 × 6) = 6/12
1/3 = (1 × 4) / (3 × 4) = 4/12
1/4 = (1 × 3) / (4 × 3) = 3/12
手順③:6/12 + 4/12 + 3/12 = 13/12
答えは 13/12 です。
例題(ひき算):3/4 − 1/6 を計算しましょう。
手順①:分母 4 と 6 の最小公倍数は 12 です。4 の倍数(4, 8, 12…)のうち、6 で割り切れる最初の数は 12 です。
手順②:3/4 = (3 × 3) / (4 × 3) = 9/12、1/6 = (1 × 2) / (6 × 2) = 2/12
手順③:9/12 − 2/12 = 7/12
答えは 7/12 です。
3つの分数でも、通分のやり方は「最小公倍数を見つける→分子・分母に同じ数をかける→計算する」の3手順で変わりません。分母の数が増えても、あわてずに最小公倍数から求めましょう。ひき算でも、通分の考え方はたし算とまったく同じです。分母をそろえたら、分子どうしを引くだけです。
通分の練習問題3選
それでは、通分のやり方を身につけるための練習問題3選に挑戦しましょう。答えを見る前に、必ず自分で解いてみてください。

問題1:1/4 + 2/3 を計算しましょう。
解答1:
手順①:分母4と3の最小公倍数は12です。
手順②:1/4 = (1 × 3) / (4 × 3) = 3/12、2/3 = (2 × 4) / (3 × 4) = 8/12
手順③:3/12 + 8/12 = 11/12
答え:11/12
問題2:5/6 − 1/2 を計算しましょう。
解答2:
手順①:分母6と2の最小公倍数は6です(コツ2のパターンです)。
手順②:5/6 はそのまま。1/2 = (1 × 3) / (2 × 3) = 3/6
手順③:5/6 − 3/6 = 2/6 = 1/3(約分を忘れずに!)
答え:1/3
問題3:2/5 + 1/10 を計算しましょう。
解答3:
手順①:分母5と10の最小公倍数は10です。
手順②:2/5 = (2 × 2) / (5 × 2) = 4/10、1/10 はそのまま。
手順③:4/10 + 1/10 = 5/10 = 1/2(約分を忘れずに!)
答え:1/2
3問とも解けましたか?通分は、繰り返し練習することで確実に身につきます。もっと練習したい人は、記事の最後で紹介する分数計算機で答え合わせをしながら取り組んでみましょう。
通分でよくある間違い
通分のやり方はシンプルですが、次の3つの間違いがとても多いです。自分に当てはまっていないかチェックしましょう。
間違い1:分母にかけた数を分子にかけ忘れる
たとえば 1/2 + 1/3 で、分母を6にそろえるときに、1/2 を 1/6 にしてしまう間違いです。分母に3をかけたら、分子にも必ず3をかけましょう。通分の手順②「分子・分母に同じ数をかける」を徹底することが大切です。
間違い2:最後の約分を忘れる
5/6 − 1/2 = 2/6 で計算を止めてしまうケースです。2/6 は 1/3 に約分できます。計算の最後には「これ以上約分できないか」を必ず確認しましょう。
間違い3:最小公倍数ではなく大きな公倍数で通分して計算ミス
2と3の通分で分母を12や18にしてしまうと、数が大きくなって計算ミスが増えます。最小公倍数を使うのが、通分を正確に行うコツです。
通分と約分の関係
通分と約分は、ちょうど逆の操作です。
- 約分:分子・分母を同じ数で「割って」、分数を簡単にする
- 通分:分子・分母に同じ数を「かけて」、分母をそろえる
どちらも「分子と分母に同じ操作をしても分数の大きさは変わらない」という分数の基本性質を使っています。通分のやり方を理解すると、約分の意味もより深く理解できます。分数の計算では「通分して計算したあとに約分する」という流れが基本パターンになります。分数の計算全体の流れを復習したい方は、分数の計算方法の解説ガイドもあわせてご覧ください。
まとめ
- 通分とは、分母のちがう分数の分母を同じ数にそろえる操作
- 通分のやり方は3つの手順:①最小公倍数を見つける ②分子・分母に同じ数をかける ③計算する
- 最小公倍数をすばやく見つけるコツが、正確で速い計算のカギ
- よくある間違いは「分子のかけ忘れ」「約分忘れ」「大きな公倍数の使用」
- 通分と約分は逆の操作で、どちらも分数の基本性質を使っている
通分のやり方は、分数のたし算・ひき算の土台です。この記事の手順と練習問題で、しっかり身につけましょう。
よくある質問
Q1: 通分とは何ですか?
A1: 分母の異なる分数の分母を、同じ数(公倍数)にそろえる操作のことです。分数のたし算・ひき算や大小比較をするときに使います。詳しくはWikipediaの分数の解説も参考になります。
Q2: 通分のやり方が覚えられません。コツはありますか?
A2: 「最小公倍数を見つける→分子・分母に同じ数をかける→計算する」の3手順を、声に出しながら練習するのがおすすめです。通分のやり方は、5問も解けば自然と手が動くようになります。
Q3: 通分と約分のちがいは何ですか?
A3: 通分は分母をそろえるために分子・分母に同じ数を「かける」操作、約分は分数を簡単にするため分子・分母を同じ数で「割る」操作です。計算では「通分して計算→約分する」の順番で使います。
Q4: 分母が大きい数のとき、通分の手順は変わりますか?
A4: 基本の手順は同じです。分母が大きい場合は、大きい方の分母の倍数を順に調べるコツを使うと、最小公倍数が見つけやすくなります。
Q5: 分母が同じ分数のたし算では、通分は必要ですか?
A5: 必要ありません。たとえば 1/5 + 2/5 は、分母がすでに「5」でそろっているので、そのまま分子どうしを足して 3/5 と計算できます。通分が必要なのは、分母がちがう分数を足したり引いたりするときだけです。計算を始める前に「分母はそろっているか」を確認する習慣をつけると、ムダな計算を減らせます。なお、分母が同じでも、答えが約分できる場合は約分を忘れないようにしましょう。たとえば 2/6 + 1/6 = 3/6 = 1/2 のように、最後の約分は必要です。
Q6: 通分をしたのに答えが合いません。どこを見直せばいいですか?
A6: 次の3点を順に確認しましょう。①最小公倍数は正しいか(分母の倍数を書き出して確かめる)、②分子にも分母と同じ数をかけたか(かけ忘れが最も多いミスです)、③最後に約分できるか(約分し忘れで減点されることがあります)。この3点をチェックすれば、ほとんどの計算ミスが見つかります。特に②の「分子のかけ忘れ」は、途中式をていねいに書くことで防げます。答え合わせには分数計算機を使うのもおすすめです。
通分のやり方がわかったら、実際に手を動かして練習しましょう。分数計算機を使えば、通分した答えが合っているかすぐに確認できます。分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算の計算方法を基礎から復習したい方は、分数の計算方法の解説ページもご覧ください。毎日の少しずつの練習が、分数マスターへの近道です!
