分数の文章題の解き方
「水そうの水の 3/4 を使いました。残りはどれだけでしょう?」「テープの長さは 2/5 m の 3 倍です。何 m でしょう?」――こんな分数の文章題も、よく出る4つのパターンを知っていればこわくありません。文章題が苦手なお子さんに共通しているのは、計算そのものよりも「式の立て方」でつまずいていることです。
この記事では、分数の文章題を解く5つのステップと、テストによく出る4つのパターン(残りの量・倍・単位量あたり・たし算ひき算)を、途中式つきの例題でていねいに解説します。練習問題(4問)と答え・解説、よくある間違い、よくある質問も用意しました。おうちの人と一緒に、順番に読み進めてみてください。

目次
分数の文章題を解く5つのステップ
どのパターンにも共通する、文章題の解き方の手順です。これからの例題は、すべてこの5ステップに沿って解いていきます。まずは流れをつかみましょう。
- ① 問題文を読むコツ――数字と単位に線を引き、「〜の」「残り」「何倍」「等しく分ける」などのキーワードを見つけます。何が「もとにする量」で、何を聞かれているのかをはっきりさせましょう。
- ② 図や線分図で整理――もとにする量を1本の線分(テープ)としてかき、問題文の内容を図にします。図にすると、たし算・ひき算・かけ算・わり算のどれを使うかが見えてきます。
- ③ 式を立てる――図をもとに式を立てます。「残り」ならひき算、「何倍」ならかけ算、「等しく分ける」ならわり算、「合わせる」ならたし算が目安です。
- ④ 途中式で計算――通分や約分もふくめて、途中式をていねいに書いて計算します。暗算でとばさないことが、ミス防止の一番のコツです。
- ⑤ 答え合わせ――答えを問題文にもどして確かめます。「もとの量と合うか」「単位は合っているか」「約分はできたか」をチェックしましょう。
分数の文章題でよく出る4つのパターン
テストやドリルに出る文章題は、大きく4つのパターンに分けられます。パターンごとの見分け方と解き方を、例題の途中式とともに見ていきましょう。
パターン1:残りの量を求める問題
例題:1 L のジュースの 3/4 を飲みました。残りは何 L でしょう。
① 問題文を読むコツ:「1 L(全体・もとにする量)」「3/4(飲んだ分)」「残り(聞かれていること)」に線を引きます。「残り」と聞かれたら、ひき算を使うサインです。
② 図や線分図で整理:1 L を1本の線分としてかき、4等分します。そのうち3つ分が「飲んだ分」、残りの1つ分が「残り」です。
③ 式を立てる:残り = 全体 − 飲んだ分 = 1 − 3/4
④ 途中式で計算:
1 − 3/4 = 4/4 − 3/4 = 1/4
⑤ 答え合わせ:飲んだ分と残りを合わせると、3/4 + 1/4 = 4/4 = 1 L になり、もとの量と合います。
答え:1/4 L
「残り」の問題では、全体を1(=4/4 のように分母と同じ数)として考えるのがポイントです。
パターン2:「〜の何倍」・倍の問題
例題:赤いテープの長さは 2/5 m です。青いテープの長さは赤いテープの 3 倍です。青いテープは何 m でしょう。
① 問題文を読むコツ:「2/5 m(もとにする量=赤いテープ)」「3 倍」「青いテープ(聞かれていること)」に線を引きます。「〜の何倍」とあれば、かけ算を使うサインです。
② 図や線分図で整理:赤いテープを1つ分としてかき、青いテープはその3つ分になります。
③ 式を立てる:青いテープ = 2/5 × 3
④ 途中式で計算:
2/5 × 3 = 6/5 = 1と1/5
⑤ 答え合わせ:6/5 ÷ 3 = 6/15 = 2/5 となり、もとの赤いテープの長さにもどります。
答え:6/5 m(1と1/5 m)
「〜の何倍」は「もとにする量 × 倍数」の形になります。何がもとにする量なのかを、問題文から正しく見つけましょう。
パターン3:単位量あたりの問題
例題:3/4 L のジュースを 6 人で等しく分けます。1 人分は何 L でしょう。
① 問題文を読むコツ:「3/4 L(分ける量)」「6 人で等しく分ける」「1 人分(聞かれていること)」に線を引きます。「等しく分ける」「1 人分」とあれば、わり算を使うサインです。
② 図や線分図で整理:3/4 L を表す線分を6等分します。その1つ分が1人分です。
③ 式を立てる:1 人分 = 3/4 ÷ 6
④ 途中式で計算:
3/4 ÷ 6 = 3/4 × 1/6 = 3/24 = 1/8
約分を忘れずに。約分の手順に不安がある人は、約分のコツの記事で復習しておきましょう。
⑤ 答え合わせ:1/8 × 6 = 6/8 = 3/4 L となり、もとの量と合います。
答え:1/8 L
「等しく分ける」問題では、わる数(ここでは6)を逆数にしてかけるのが基本です。
パターン4:たし算・ひき算の文章題
例題:おつかいのお金から、おかしに 3/10、文房具に 2/5 を使いました。使ったお金は、はじめのお金のどれだけでしょう。
① 問題文を読むコツ:「3/10(おかし)」「2/5(文房具)」「使ったお金は全部で(聞かれていること)」に線を引きます。「合わせる」「全部で」とあれば、たし算を使うサインです。
② 図や線分図で整理:はじめのお金を1本の線分として、3/10 の部分と 2/5 の部分に色分けします。
③ 式を立てる:使ったお金 = 3/10 + 2/5
④ 途中式で計算:
2/5 = 4/10 だから、
3/10 + 2/5 = 3/10 + 4/10 = 7/10
分母がちがう分数のたし算・ひき算では、通分が必要です。通分のやり方の記事で復習しておくとスムーズです。
⑤ 答え合わせ:7/10 − 2/5 = 7/10 − 4/10 = 3/10 となり、おかしの分と合います。
答え:7/10
「残りはいくらでしょう」と聞かれる形(1 − 7/10 = 3/10)は、パターン1とパターン4の組み合わせです。パターンを組み合わせて考える練習にもなります。

分数の文章題 練習問題(4問)
4つのパターンを1問ずつ、練習問題で腕試ししましょう。まずは自分で考えてから、答えと解説を確認してください。分数の文章題の練習問題は、くり返し解くほど式の立て方が速くなります。
- 2/3 L の牛乳の 1/4 を飲みました。残りは何 L でしょう。(パターン1)
- 花だんの面積は 5/6 m² です。畑の面積は花だんの 2 倍です。畑の面積は何 m² でしょう。(パターン2)
- 4/5 kg の小麦粉を 8 袋に等しく分けます。1 袋は何 kg でしょう。(パターン3)
- リボンが 7/12 m と 1/3 m あります。2 本を合わせると何 m でしょう。(パターン4)
練習問題の答えと解説
問1:残り = 2/3 − 1/4 = 8/12 − 3/12 = 5/12
答え:5/12 L
問2:畑の面積 = 5/6 × 2 = 10/6 = 5/3
答え:5/3 m²(1と2/3 m²)
問3:1 袋 = 4/5 ÷ 8 = 4/5 × 1/8 = 4/40 = 1/10
答え:1/10 kg
問4:1/3 = 4/12 だから、7/12 + 1/3 = 7/12 + 4/12 = 11/12
答え:11/12 m
全問正解できましたか?間違えた問題があれば、そのパターンの例題にもどって、5つのステップをもう一度たどってみましょう。
分数の文章題でよくある間違い
文章題でありがちな間違いを5つ紹介します。当てはまっていないか、チェックしてみてください。
間違い1:全体を1にしない(残りの問題)
「1 L の 3/4 を飲んだ」の残りを「3/4 − 1/4」のように計算してしまう間違いです。引く相手は「全体=1」です。全体を分母と同じ数(4/4)に直してからひき算しましょう。
間違い2:「〜の何倍」をたし算してしまう
「2/5 m の 3 倍」を「2/5 + 3」と計算してしまう間違いです。「倍」と聞かれたらかけ算です。線分図をかいて「3つ分」をイメージすると間違えにくくなります。
間違い3:わる数とわられる数を逆にする
「3/4 L を 6 人で分ける」を「6 ÷ 3/4」と立ててしまう間違いです。分けられる量(3/4)がわられる数、人数(6)がわる数です。「1人分=全体÷人数」の形を覚えておきましょう。
間違い4:通分せずにたし算・ひき算する
分母がちがうのに分子だけをたしたりひいたりする間違いです(例:3/10 + 2/5 = 5/15 は間違い)。分母をそろえてから計算するのが鉄則です。
間違い5:答えの単位や約分を忘れる
計算は合っているのに、単位(L・m・kg)を書き忘れたり、約分できる答えをそのままにしたりする間違いです。答え合わせのステップで「約分できるか」「単位は合っているか」を必ず確認しましょう。
分数の文章題 よくある質問
この単元について、よくある質問に答えます。
Q1. 式の立て方がわかりません。どうすればいいですか?
まずはキーワードに注目しましょう。「残り」ならひき算、「何倍」ならかけ算、「等しく分ける」ならわり算、「合わせる」ならたし算が目安です。それでも迷うときは線分図をかいてみてください。図にすると、どの計算を使うべきかが見えてきます。
Q2. 線分図は必ず書かなければいけませんか?
テストでは必須ではありませんが、書くことをおすすめします。特に式の立て方で迷いやすい人は、線分図をかくことで間違いが大きく減ります。慣れてきたら、頭の中でイメージできる問題は省略しても大丈夫です。
Q3. 答えが仮分数になったらどうしますか?
6/5 のような仮分数は、そのままでも正解ですが、1と1/5 のように帯分数に直すとよりわかりやすくなります。学校の先生の指示に合わせて書きましょう。帯分数と仮分数の変換は、分数の基本として身につけておきたいポイントです。
Q4. 計算は合っているのに答えがまちがうのはなぜですか?
多いのは「約分忘れ」と「通分ミス」です。答えが出たら、答え合わせのステップで「約分できる分数はないか」「通分は正しかったか」を確認しましょう。検算には当サイトの計算機も使えます(記事の最後で紹介しています)。
応用チャレンジ
4つのパターンに慣れてきたら、少しレベルアップした問題にも挑戦してみましょう。ここでは、パターンを組み合わせた応用問題を3問、5つのステップで解きます。
応用問題1:2つのパターンを組み合わせる
例題:2 L の水の 3/4 を使い、残りの水を 5 人で等しく分けます。1 人分は何 L でしょう。
この問題は、パターン1(残りの量を求める)とパターン3(単位量あたり)の組み合わせです。2段階で考えます。
① 問題文を読むコツ:「2 L(全体)」「3/4(使った分)」「残りを 5 人で等しく分ける」「1 人分(聞かれていること)」に線を引きます。
② 図や線分図で整理:2 L の線分から 3/4 の部分を取り除き、残りの部分を5等分します。
③ 式を立てる:まず残りを求めます。使った分 = 2 × 3/4、残り = 2 − 使った分。次に、1 人分 = 残り ÷ 5 です。
④ 途中式で計算:
使った分 = 2 × 3/4 = 6/4 = 3/2 L
残り = 2 − 3/2 = 4/2 − 3/2 = 1/2 L
1 人分 = 1/2 ÷ 5 = 1/2 × 1/5 = 1/10 L
⑤ 答え合わせ:1/10 × 5 = 5/10 = 1/2 L となり、残りの量と合います。さらに、使った分と残りを合わせると 3/2 + 1/2 = 4/2 = 2 L となり、もとの量と合います。
答え:1/10 L
1つの問題に2つのパターンが入っているときは、「何を求めるステップが何段階あるか」を整理してから解きましょう。
応用問題2:割合を求める問題
例題:定価 800 円の文房具が、セールで 600 円になっていました。セール価格は定価のどれだけでしょう。
① 問題文を読むコツ:「800 円(定価・もとにする量)」「600 円(セール価格)」「どれだけ(割合を聞かれている)」に線を引きます。「〜のどれだけ」と割合を聞かれたら、「比べる量 ÷ もとにする量」の形です。
② 図や線分図で整理:定価 800 円を1本の線分として、600 円の部分が全体のどれだけかを考えます。
③ 式を立てる:割合 = 600 ÷ 800
④ 途中式で計算:
600 ÷ 800 = 600/800 = 3/4
⑤ 答え合わせ:800 × 3/4 = 2400/4 = 600 円となり、セール価格と合います。
答え:3/4
「〜のどれだけ」と聞かれたら、もとにする量でわることを覚えておきましょう。
応用問題3:たし算と残りの組み合わせ
例題:1 m のリボンから 1/4 m を使い、さらに 1/3 m を使いました。残りは何 m でしょう。
この問題は、パターン4(たし算)とパターン1(残りの量)の組み合わせです。
① 問題文を読むコツ:「1 m(全体)」「1/4 m(1回目に使った分)」「1/3 m(2回目に使った分)」「残り(聞かれていること)」に線を引きます。
② 図や線分図で整理:1 m の線分から、1/4 m の部分と 1/3 m の部分を取り除きます。残った部分が答えです。
③ 式を立てる:残り = 1 − 1/4 − 1/3
④ 途中式で計算:
1 − 1/4 − 1/3 = 12/12 − 3/12 − 4/12 = 5/12
⑤ 答え合わせ:使った分を合わせると 1/4 + 1/3 = 3/12 + 4/12 = 7/12 m。残りと合わせると 7/12 + 5/12 = 12/12 = 1 m となり、もとの長さと合います。
答え:5/12 m
続けて使う問題では、使った分を先に合計してから全体から引く方法(1 − (1/4 + 1/3))もあります。どちらで解いても答えは同じです。
早解きテクニック
テストで時間を短縮したい人のために、文章題で役立つ3つのテクニックを紹介します。基本の解き方と合わせて覚えておくと、解くスピードがぐっと上がります。
テクニック1:約分は先にする
かけ算・わり算では、計算する前に約分できる数がないか探しましょう。たとえば 4/5 ÷ 8 = 4/5 × 1/8 の計算では、4 と 8 を先に約分すれば 1/5 × 1/2 = 1/10 と、小さい数のまま計算できます。数字が小さいほど、計算ミスも減ります。
テクニック2:答えの見当をつける
計算する前に「答えはこれくらいになりそう」と見当をつけるクセをつけましょう。たとえば「1 L の 3/4 を飲んだ残り」なら、答えは 1 L より小さいはずです。もし計算結果が 1 L をこえていたら、式の立て方を間違えています。見当をつけておくと、大きなミスにすぐ気づけます。
テクニック3:検算は逆の計算で
答え合わせのステップでは、逆の計算を使うと確実です。わり算で求めた答えはかけ算で、ひき算で求めた答えはたし算で確かめます。この記事の例題でも、すべての答え合わせに逆の計算を使っています。テストの最後の見直しで実践してみてください。
保護者の方へ:教え方のポイント
お子さんが分数の文章題でつまずいているときは、次の4点を意識して声かけをしてみてください。
- 図を一緒にかく:線分図や帯グラフを一緒にかいて、「どこが聞かれているのか」を指さし確認しましょう。
- 途中式をほめる:答えが違っていても、途中式が正しければその部分を具体的にほめましょう。
- キーワード探しをゲームに:「残り」「何倍」「等しく分ける」などのキーワード探しをクイズ形式にすると、楽しく学べます。
- 毎日1問ずつ:一度にたくさん解くより、毎日1〜2問ずつ続けるほうが定着します。この記事の練習問題を、日を分けて解き直すのもおすすめです。
まとめ
この記事では、分数の文章題の解き方を解説しました。
- 5つのステップ:①問題文を読むコツ → ②図や線分図で整理 → ③式を立てる → ④途中式で計算 → ⑤答え合わせ
- 4つのパターン:残りの量・「〜の何倍」・単位量あたり・たし算ひき算
- 「残り」はひき算、「何倍」はかけ算、「等しく分ける」はわり算、「合わせる」はたし算が目安
- 通分・約分を忘れず、答えの単位まで書く
最後に、この記事の内容が身についたか、次のチェックリストで確認してみましょう。すべてにチェックがついたら、文章題の解き方はバッチリです。分からない項目があれば、該当する章にもどって復習してくださいね。
- 5 つのステップ(読む・図・式・計算・答え合わせ)に沿って解ける
- 4 つのパターン(残りの量・倍・単位量あたり・たし算ひき算)を見分けられる
- 途中式をていねいに書いて、通分・約分ができる
- 答え合わせで逆の計算を使い、単位まで書ける
分数の文章題は、パターンを見分けて式を立てられれば、あとは計算のくり返しです。練習問題でつまずいた人は、該当するパターンの例題にもどって5つのステップをたどってみてください。分からない問題に出会ったら、まずは線分図をかいてみることから始めましょう。図をかく習慣がつけば、式の立て方で迷うことがぐっと減ります。毎日少しずつ続けることが、上達の一番の近道です。
分数の計算をもっと練習したい人へ
答え合わせや検算には、当サイトの分数計算機が便利です。計算の手順を基礎から見直したい人は分数の計算方法ガイドも参考にしてください。分数の基本的な意味については、Wikipediaの「分数」の記事も参考になります。
